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エリアを跨る合併再編

 2010-07-03
 6月30日に国務院温家宝総理が主催する常務会議が開催され、その中で企業の合併再編を促進する方針が打ち出された。エリアを跨る合併再編も対象となる。今まで外商投資企業がエリアを跨って合併再編するのは合併される側(消滅してしまう側)の行政部門からの認可取得のハードルが極めて高いという印象があったが、このような方針が打ち出されるということは国内企業であっても同じだったということがわかる。内資だろうが外資だろうが地元から出て行かれた場合に税収等の財源が減少するので、確かに内資だろうが外資だろうが理屈としては同じといえる。さて、この会議の中で謳われていることの中から合併再編関係についていくつか取り上げてみる。

・各種の企業の合併再編に不利であり公平競争を妨害する規定を整理廃止すること。
・地方が公布している外地企業が地元企業に対して合併再編することを制限する規定を取り消すこと。
・地区間で財政・税務利益の分配協議を締結することができる。

 地方によっては合併再編を阻止するための通達が出されていたことがわかる。本当に視野の狭い考え方だ。結局エリアを跨る場合は移転元と移転先の行政部門で財政・税務利益の分配協議を締結することができるというわけのわからないルールが出てきている。移転元にも少し残してあげるから移転先もちょっと泣いて下さいという喧嘩両成敗的な発想だ。安徽省が上海に所在する企業の移転受け入れのためにこのようなことを提示しているというのを聞いたことがあるが、ここまでしないと移転できないというのも本当に地方政府の身勝手としかいえない。とはいうものの、これは地方政府同士の話し合いであり企業にとっては関係ないので好きにやってくれたらいい部分である。企業からすると再編を進めることができればそれでOKなのだ。これをきっかけに企業再編を進めやすい環境になればいいのだが、どこまでこの政策・方針が浸透するだろうか。いざ外資がこれを進めようとすると、「あれは内資向けのものだから外資は関係ないよ」なんてことを言われるかもしれない。ま、徐々にそんなことはなくなっていくのだろうが、そろそろこういった方面に関する整備も成熟させて欲しいところだ。
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プロフィール

呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)

Author:呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)
1992年3月 神戸大学経営学部卒業。
1992年4月 住友銀行(現三井住友銀行)入行。
2002年11月 三井住友銀行上海支店へ駐在。
2003年1月 キャストコンサルティング(上海)有限公司へ派遣。
2005年1月 日綜(上海)投資コンサルティング有限公司設立に伴い同社副総経理に就任。

住友銀行入行後、ほぼ一貫して法人業務畑を歩む。上海支店赴任後は中国ビジネスコンサルティングに特化し現在に至る。

日中経済貿易センターJCCNETコメンテーター

経歴と全く関係ないが週に一度のキックボクシングの練習は欠かせない。

主な執筆
「呉明憲コンサルタントのナレッジストリーム「(『bros』)
日綜(上海)投資コンサルティングニュースレター(JRIS NEWS、一問一答)
週刊エコノミスト2008年4月8日号(高齢化社会の到来で注目のシルバー産業)
週刊エコノミスト2008年8月5日号(ニート、パラサイト化する中国「80後」世代の生態)
週刊エコノミスト2008年11月4日特大号(ネット通販の商品を職場で受け取る中国人)

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