テレビドラマ内容管理規定
5月14日付で《テレビドラマ内容管理規定》というのが公布された。こんな通達までおるものなのか。どれどれ、内容を見てみようっと。
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なにやら堅苦しいが、「百家斉放、百家争鳴」という言葉が懐かしい。1956年から1957年にかけて毛沢東が政治運動として提唱したときの意味は「共産党への批判を歓迎する」というものだったが、一般的な意味としては百花斉放とは様々な文化を開花させるという意味であり、百家争鳴とはたくさんの意見を自由に論争するということである。
さて、テレビドラマにあってはいけない内容というのが定められている。次の通りだ。 (1)憲法が確定する基本原則に違反し、煽動反抗または憲法、法律、行政法規及び規章の実施を破壊するもの。 (2) 国家統一、主権及び領土の完備に危害を及ぼすもの。 (3) 国家秘密漏洩、国家安全危害、国家栄誉及び利益を損害するもの。 (4) 民族の憎しみ、民族差別を煽動し、民族風習習慣を侵害し、民族感情を傷つけ、民族団結を破壊するもの。 (5) 国家宗教政策に違反し、宗教極端主義及び邪教、迷信を宣揚し、宗教進行を差別、侮辱するもの。 (6) 社会秩序を撹乱し、社会安定を破壊するもの。 (7) 淫猥、賭博、暴力、恐怖、麻薬を宣揚し、犯罪教唆または犯罪方法を伝授するもの。 (8) 他人を侮辱、誹謗するもの。 (9) 社会公徳または民族優秀文化伝統に危害を与えるもの。 (10) 未成年人の合法権益を侵害するまたは未成年人の心身健康に有害なもの。 (11) 法律、行政法規及び規章が禁止するその他内容。
わからなくないものも多いが、ちょっと硬いなあ。(7)の要素を取り上げられると火曜サスペンス劇場も土曜ワイド劇場は成り立たないし、(10)なんてなんとでも解釈できる。これを保守的に運用しようとすると当然面白くないドラマになる。実際に面白くないドラマが多い。どこか一線を越えないとエンターテイメントとして成長できないと思うのだが。アニメの似たような規定まで調べていないが、精神としてはそんなに変わらないだろう。中国でもアニメ産業育成とか言ってるが、このような規定をがんじがらめに保守的に運用するとつまらないものしかできないに決まってる。要するにコンテンツ産業の成長が制限されるのだ。「上に政策あれば下に対策あり」とよく言われるが、この方面でももっと柔軟性を持って運用することで、斬新な発想が受け入れられるような風潮にならないと、中国独自のコンテンツは一定のレベルを超えることはないだろう。逆に言えばこれもまた日系企業にとっては参入のチャンスであるといえる。日本ではアニメファンドなるものも出現している。こういったものを活用することでビジネスチャンスを刈り取っていけば面白いと思う。