胸打たれる男女の絆
少女側は治療費等を含めて約89万元の請求を鉄道会社に訴えたのだが、鉄道会社からの回答は300元しか賠償する必要がないというものだった。事故が発生したのは2007年3月であり、その時点で有効であった《列車とその他車両の接触及び鉄道外人員傷亡事故処理暫定規定》(なんと1979年に公布されたもの)に基づいてはじき出した数字だというのがその根拠である。もちろん鉄道会社には非がないというのを前提としている。30年近く前の通達である。この事故の半年後の2007年9月にはあらたに《鉄道交通事故応急救援及び調査処理条例》が公布されており、このような事故の場合の鉄道会社の賠償責任最高限度額が15万元にまで引き上げられた。しかしながら、事故発生当時は後者が公布されていなかったためその適用は難しいとの見方がされているようだ。
以上だけ見ると賠償金の金額があまりにも少ないというところに焦点が集まるだろう。わずか16歳の少女が両足を切断する羽目になった金額とはとても思えない。もちろんお金の話も大事だろう。しかし、この記事を見て私がもっとも印象に残ったのは実はお金の部分ではなく記者とこの少女とのやり取りの部分である。
記者 「これからどうしていくか考えたことがありますか?」
少女 「彼(恋人)にずっと背負って行ってもらいたくないけれど、彼はずっと私を背負ってくれるといっている。」
そう少女が答えた直後、少女と彼の目が合い彼は力強く頷いたのであった。
いつもなら締めの言葉を何とかして考え出すのだが、今回ばかりは勘弁願いたい。あまりにも悲しい話で言葉にならないのだ。
