労働契約法実施細則の意見募集稿を読んでみました(1)

 2008-01-15
俗に《労働契約法》の実施細則と呼ばれている「《中華人民共和国労働契約法》を徹底的に実施することに関する関連規定」の意見募集稿をネット上で見つけたので読んでみました。この中で気づいた点について書いてみます。

1.「連続」勤務満十年
  連続勤務期間が満十年に達した場合、労働者が無固定期限労働契約の締結を要求した場合、企業はそれに同意しなければならないと労働契約法で定められています。これを回避するために昨年少なからずの企業で採られた方法が一旦解雇して再雇用すると言うものでした。華為社が7000人以上の従業員を対して年内に自主退職させ再雇用するという動きをとったことは記憶に新しいところです。そして、意見募集稿ではこの「連続」の概念を「時間間隔が一年を超過しない」とあります。つまり、一旦退職しまた復職するまでの間隔が一年以内であれば連続して勤務しているとみなされるというものです。

2.一回目の労働契約
  二回連続して固定期限労働契約を締結し、労働契約を継続する場合、労働者が無固定期限労働契約の締結を要求した場合、企業はそれに同意しなければならないと労働契約法で定められていますが、どの時点を以って一回目の労働契約とみなすのかという議論がありました。そして意見募集稿では《労働契約法》実施後に締結したものを一回目とするとしております。また、労働契約自動継続される場合、自動継続にあたり契約回数がカウントされるとのことです。

3.派遣会社
  《労働契約法》を条文の通り理解すれば派遣会社にも無固定期限労働契約という概念が発生するというのが大方の見方でありました。しかし、意見募集稿では派遣会社は二回連続して固定期限労働契約を締結した上での無固定期限労働契約締結のルールを適用しないとされております。


  出る出るといわれながらいまだ発表されない労働契約法の実施細則ですが、以上の考え方は理解できるものではあります。ただ、「連続」の概念が「時間間隔が一年を超過しない」というのはちょっと長すぎるかという気はします。次回も引き続きこの話題について書いてみます。

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プロフィール

呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)

Author:呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)
1992年3月 神戸大学経営学部卒業。
1992年4月 住友銀行(現三井住友銀行)入行。
2002年11月 三井住友銀行上海支店へ駐在。
2003年1月 キャストコンサルティング(上海)有限公司へ派遣。
2005年1月 日綜(上海)投資コンサルティング有限公司設立に伴い同社副総経理に就任。

住友銀行入行後、ほぼ一貫して法人業務畑を歩む。上海支店赴任後は中国ビジネスコンサルティングに特化し現在に至る。

日中経済貿易センターJCCNETコメンテーター
財団法人海外職業訓練協会(OVTA)国際アドバイザー

経歴と全く関係ないが週に一度のキックボクシングの練習は欠かせない。

主な執筆
「呉明憲コンサルタントのナレッジストリーム「(『bros』)
「中国税関実務AtoZ」(『The DailyNNA』(中国総合版))
「中国における企業再編」(『bizpresso』)
日綜(上海)投資コンサルティング会員向けニュースレター(JRIS NEWS、一問一答)
週刊エコノミスト2008年4月8日号(高齢化社会の到来で注目のシルバー産業)
週刊エコノミスト2008年8月5日号(ニート、パラサイト化する中国「80後」世代の生態)
週刊エコノミスト2008年11月4日特大号(ネット通販の商品を職場で受け取る中国人)

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