またまた労働契約法について
一方で、《労働契約法》の実施細則の初稿が既に出来上がっており、意見募集をしている最中であり、最高人民法院の《労働契約法》に対する司法解釈も近々発表されるとのことである。そしてこの中で華為社が行ったようなこのような行為に対する内容が含まれる可能性があるようである。具体的には、《労働契約法》の実施前に《労働契約法》を回避するような動きが大量に見られた場合、司法解釈では「契約解約後一年以内に再締結する場合、勤続期間は連続しているものとみなす」との見解を示す可能性があるようだ。もちろん、司法解釈が正式に発表されているわけではないため、今のところ華為社のとった行動が法的に「否」と判断されない可能性がある。しかし、司法解釈が発表され、華為社がとった行為に対して「勤続期間は連続しているものとみなす」ということなれば、多額の賠償金まで支払っておきながら目的を達することができず、一体何をしたのやらということになるだろう。ある裁判官は、「《労働契約法》実施前のこのようなやり方はやはりリスクがある」ともコメントしており、あまり無茶なことをしても結局何も得られないということになりかねない。
《労働契約法》実施に伴い、無固定期限労働契約を締結するケースが増えることが予想されるが、これはすなわち「鉄飯碗」(食いはぐれのない職業)の従業員が増えることにつながるのではないかとの見方がある。解雇される心配がないためモチベーション低い従業員が増えるのではないかという見方だ。《労働契約法》は決して「鉄飯碗」を生み出すものではない、正当な理由があれば企業は従業員との契約を解除できるとのコメントも見られるが、企業がこれだけ無固定期限労働契約を恐れるのもいざ従業員と紛争が生じた場合に来企業側が負けてしまう比率が高すぎることにあると思う。データによると上海市労働争議仲裁委員会の2006年度の受理数は28,689件にのぼり、そのうち、外商投資企業に掛かる案件数は5,000件あまりで、前年度に比べ、24%の増加となっている。そして2006年度に審理が終了した2万件あまりの中で労働者が勝訴または一部勝訴したものが87%に達し、外資系企業に掛かる案件では、労働者の勝訴または一部勝訴は84%にも達している。この極端な状況が変わらない限り、企業はこれからも「鉄飯碗」を恐れ続け、《労働契約法》実施後も極端な行動をとる企業が今後も出てくるのではないだろうか。
