都市部の平均給与統計のからくり

 2008-07-30
  既にご存知の方も多いかと思うが、国家統計局が7月28日に発表した今年上半期の全国都市部の在職人員の平均給与は12,964元(平均月間給与は2,160元)と、前年同時期比18%増加している。これはGDPの10.4%成長、CPI(消費者物価指数)の7.9%増加と比べても大きな伸び率であるといえる。昨年と比べた場合にCPIの伸び率まで勘案すれば決して大幅に上昇したわけではないという見方もあるが、すくなくとも数字の上では大きく伸びた形になっている。しかし本当にこんなに平均給与が増えているのだろうか?実はこの統計にはからくりがあり、農民工、個体戸(営業性個人)、私営企業の従業員はこの統計をはじき出すうえで含まれていないのである。これらの人たちは往々にして給与自体が低い上に伸び率も大きくない。そのため、今回の統計値は彼らにとってなんら関係ないといえる。むしろ先ほどあげたOPI7.9%増が彼らにとって負担が大きいきかもしれない。また、統計での平均給与増加率もあくまで平均であり、ほぼ横ばいの人もいればかなり上昇した人もいるだろう。このようにどんどん給与が上がっていって数万元ももらえる人もいる一方で、このような人たちと統計に組み入れられないような人たちとでは結局貧富の差がどんどん拡大して行ってるのではないだろうか。

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プロフィール

呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)

Author:呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)
1992年3月 神戸大学経営学部卒業。
1992年4月 住友銀行(現三井住友銀行)入行。
2002年11月 三井住友銀行上海支店へ駐在。
2003年1月 キャストコンサルティング(上海)有限公司へ派遣。
2005年1月 日綜(上海)投資コンサルティング有限公司設立に伴い同社副総経理に就任。

住友銀行入行後、ほぼ一貫して法人業務畑を歩む。上海支店赴任後は中国ビジネスコンサルティングに特化し現在に至る。

日中経済貿易センターJCCNETコメンテーター
財団法人海外職業訓練協会(OVTA)国際アドバイザー

経歴と全く関係ないが週に一度のキックボクシングの練習は欠かせない。

主な執筆
「呉明憲コンサルタントのナレッジストリーム「(『bros』)
「中国税関実務AtoZ」(『The DailyNNA』(中国総合版))
「中国における企業再編」(『bizpresso』)
日綜(上海)投資コンサルティング会員向けニュースレター(JRIS NEWS、一問一答)
週刊エコノミスト2008年4月8日号(高齢化社会の到来で注目のシルバー産業)
週刊エコノミスト2008年8月5日号(ニート、パラサイト化する中国「80後」世代の生態)
週刊エコノミスト2008年11月4日特大号(ネット通販の商品を職場で受け取る中国人)

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