増値税暫定条例(2008年改正)
増値税暫定条例(⇒日文の翻訳文はここ)
増値税暫定条例(⇒原文はここ)
改正された増値税暫定条例の内容は過去記事で既にご紹介してきた内容がほぼそのまま反映されている。ちょっと気になった点としては従来は来料組立及び補償貿易における輸入設備は増値税の免除の対象とされていたのが、改正された増値税暫定条例にはこれが免税の対象とされていないことだ。今まで何度か紹介した輸入設備免税政策や国産設備増値税還付政策の取り消しについてまでは改正条例だけからは読み取れないが、この二つの政策は各々通達があるのでおそらくその通達を廃止することになるのだろう。
40人以上を一度にリストラする場合は批准が必要(山東省)
金融危機の影響により生産規模の縮小や人員規模の縮小に動いてきる企業ができている。これにより第三四半期までの山東省の都市・鎮の登記失業率は3.14%となり、新たに登記された失業者が67.99万人と、 前年同時期比1.95%増加している。
景気低迷により今後中国の各地においてもリストラの嵐が吹く荒れることが予想される。これは山東省の話だが今後中国のほかに地域でも同じような動きが出て来るかもしれない。
中国内の外資銀行の流動性資金の状況が一段落
リーマンブラザースが破綻して以降、中資銀行は外資銀行との取引を制限し始め、外資銀行に対する与信額を減らし、ある銀行にいたっては外資銀行との取引を完全に停止していたという。外資銀行は中国における経営基盤の関係もあり(当たり前だが)中資銀行と比べて預金の調達には限界があるため、銀行間市場のコール取引での調達依頼度が高い。しかしながら、中資銀行は金融危機以降コール市場で外資銀行に対して資金を放出したがらず、そのため外資銀行の流動性は非常にタイトであった。
中国貨幣ネットというところが発表したデータによると、前期の外資銀行のコール市場での資金調達規模(調達と提供の差額で調達が上回る部分、以下同じ)は100-150億元を維持していたが、9月下旬以降はわずか20-30億元の規模にまで減少し、最低時は数億元程度しかなかった。しかしながら、このような状況は改善してきており、11月12日の銀行間市場のコール調達資金は31.2億元とその前の取引よりも9.95億元増加し、中資銀行の外資銀行に対する姿勢が軟化してきていることがうかがえる。
しかしながら、中資銀行と外資銀行との取引が緩和されてきたのは1ヶ月以下の短期取引のうち、オーバーナイトと7日間の資金コール取引が主体であり、中長期の取引については中資銀行も依然として慎重な姿勢を崩しておらず、一部のリスク管理に厳格な銀行はなお全体的に慎重な姿勢を崩していない。
とはいうものの中資銀行が姿勢を軟化させてきたことには間違いはなく、その原因として、米国金融危機が発生したとはいえ、さらに一段と悪化するような現象が見られていないこと、中国人民銀行が既に外資銀行に対して流動性支援をすることを承諾し、これが外資銀行に対する信用を促したことにあるといわれている。そして、おそらく外資銀行の流動性がタイトである状況は徐々にではあるがさらに緩和され、人民銀行としても外資銀行に対して更なる流動性支援を行う必要はなくなるだろうと見られている。
ただし、以上はあくまで外資銀行という大枠の中の話であり、外資銀行の中でも個別銀行ごとに状況は異なるであろうから、普段付き合っている銀行が現在どのような状況にあるかはそれぞれ確認したほうがいいだろう。
輸出税額還付率がまたまた引き上げへ(今年三回目!)
輸出税額還付率の調整は主として労働集約型製品や機電製品等を対象としている。また同時に一部の鋼材、化学工業品や食糧の輸出関税の取り消し、一部化学肥料の輸出関税の引き下げや徴税方式の変更も決定された。
今回調整される具体的な品目については現在のところまだ発表されていないものの、近々財税部門から発表されることになろう。
金融危機の影響により特に華南地域での輸出が減少しているという報道が目に付くことから、還付率引き上げや輸出関税の取り消し・引き下げはそれに対応するためのものであるといえるだろう。しかしながら、今月還付率を引き上げたばかりで、まだその効果が見えていない段階でまた引き上げるということにどれだけの効果があるのかというところに疑問を感じてしまうとともに、そもそも金融危機により海外におけるニーズ自体が減少している中で還付率を引き上げたり輸出関税を調整したりすることにどれだけの効果があるのか、もちろんまったく効果がないというわけではないだろうが、個人的にはそのあたりが気になるところである。
来年から開始する増値税改革の内容
(1)新購入設備の増値税控除
(2)輸入設備増値税免税の取り消し
(3)外商投資企業の国産設備の増値税還付政策の取り消し
(4)小規模納税人の増値税率を3%に統一
新購入設備の増値税控除は既にお知らせしてきたとおりであるが、今回注目すべきは輸入設備増値税免税の取り消しと外商投資企業の国産設備の増値税還付政策の取り消しだ。外商投資企業が進出にあたり奨励類認定を受けて設備輸入免税や国産設備の増値税還付を受けるというのは従来の王道とも言うべき手法であったが、これが取り消されてしまうことになるのだ。輸入に関しては関税の免除まで行わるとしていない(これは税関マター)ものの、いずれにしてもかなりエポックメイキングな変化だ。免除はされなくなるものの控除ができるようになるということは、奨励類企業にとっては関税を別にすれば効果としては結局そんなに変わらないのだろう。逆にそもそも免税設備輸入できなかった非奨励類企業にとってはメリットであるといえる。企業所得税法の統一もそうだが、この増値税改革により外商投資企業に対する政策の潮目が変わってきたことを改めて感じさせられた。
内需拡大による経済促進のための十項目措置
1.保障性低所得層向け住宅計画の加速
2.農村インフラ建設の加速
3.鉄道、道路と空港等の重大インフラ建設の加速
4.医療衛生、文化教育事業発展の加速
5.生態環境建設の強化
6.自主革新と構造調整
7.地震被災区の災害復興の各種活動の加速
8.都市・農村住民収入の引き上げ
9.全国の全ての地区、全ての業種に全面的に増値税モデルチェンジ改革を実施し、企業の技術改造を奨励し、企業負担を1200億元軽減。
10.経済成長に対する金融によるサポートウェイトの増大
どれもこれもなるほどなあと思うものであり、例えば個人向け住宅計画や各種インフラ面、環境等はここ最近言われていることである。また増値税のモデルチェンジ(⇒ここ)については既にご紹介したとおりである。10番目として金融によるサポートというものがあり、これは具体的には銀行貸出の緩和ということであるが、これも前回の記事(⇒ここ)で既に紹介したとおりあくまで政策に過ぎず、銀行の与信スタンスとは別の話である。延払い規制への対応として国内販売先に対して回収期限の短縮化を申し入れたところ、銀行から資金が調達できないので支払い期間を延ばして欲しいと逆に言われてしまったという企業の話を聞いた。引き合いが激減している企業の話も聞いた。金融危機の中国への影響に対する報道は思ったほどされていないが、実際の影響は少なくないと思う。この十項目措置はどこまで起爆剤となるだろうか。
金融危機の中国への影響
香港工業総会の陳鎮仁会長によると、珠江デルタにある7万社の香港系企業のうち、年末には4分の1の企業が倒産し、一社が倒産することにより500人が失業すると考えるとなんと87.5万人が失業してしまうことになるとしている。もちろんこの多くは中国内陸部からやってきた出稼ぎ労働者だ。
昨日法律事務所の律師(弁護士)と話していたのだが、最近請け負っている訴訟案件は倒産がらみが増えているそうだ。また、注文が30-40%も激減している会社も出てきており、金融危機の影響をひしひしと感じるとのことだった。銀行の貸出抑制が政策的に緩和さえるという報道も出ていたが、それはあくまで政策に過ぎず、実際に貸し出しを行う銀行のスタンスはこの経済状況の中どれほど前向きになってくれるかは別の問題だ。
金融危機の中国への影響はこれからもじわりじわりと出てくるだろう。これからどんな対策を打っていくのだろうか。そしてその政策は世界へ向けてできることなのだろうか。
中国の不動産市場予測
中国の商業銀行の不動産貸出は貸出総額の20%を占めており、支店によってはそのポジションが40%を超えているところもある。今回の金融危機はアメリカのサブプライム問題が発端である。要するに不動産関連貸付資産内容が悪化したことから始まった。近年の中国の不動産はひたすら上昇し、そして最近になって下がり基調が見えてきたが、果たして中国で同じような問題が起こりはしないだろうか?銀行による融資の審査がちゃんと行われていればいいのだが。。。
(参考)ローン残高が物件評価を逆転するケースがあらわれた!!!
