2008-04-08
広東省の香港系企業の多くが撤退したという報道が流れていたが、その後広西チワン族自治区に移転して行っているようである。2007年7月23日付で「商務部、税関総署公告2007年第44号《加工貿易制限類商品目録》の公布」が公布され、8月23日より執行されている(
日綜の会員(会員申込絶賛受付中)向けニュースレター2007年第43号)が、この中で銀行保証金台帳制度の適用方法に調整が加えられており、東部地区(北京市、天津市、上海市、遼寧省、河北省、山東省、江蘇省、浙江省、福建省、広東省)と中西部地区とでは異なる取り扱いがなされるようになった。要するに中西部地区の方が緩やかなルールとなったのである。広西は同公告の定義に従えば中西部地区に該当しており、地理的にはまた広東省のすぐ横にあり香港から近いこと、最近注目を集めているベトナムに隣接していること、鉱物資源や水資源が豊富であること、ASEAN向け輸出基地としての発展の可能性を秘めていること等が移転先として選ばれた要因といえるだろう。主要産業と見てみると、食品加工、自動車、機械、建築資材、医薬品、紙・パルプ、冶金等広範囲にわたっている。
2007年末には香港から広西への投資契約金額は100億米ドルを超過し、広西全体の契約利用外資総額の51%を占めている。産業を見たところ主要工業は発電、機械工業、自動車、アルミ、製紙、冶金、建材、食品加工等広範にわたっており、コスト的にも従来の投資先と比べると低コストであるといえることから、今後「華南の一員」としてさらに注目を集めるエリアであるといえるだろう。
2008-04-06
4月2日に書いた記事の続き。《企業所得税法》に関連する通達として《所得税法反租税回避細則》が4月中旬に公布されるという話だ。この中でコスト分担協議について言及されているとのこと。そもそもコスト分担協議とは企業間が一種の契約性協議を締結して、締結各方が研究開発または役務活動において共同分担するコストを約定するものであり、共同してリスクを負担し、予想収益とコストに見合う原則に従って合理的に収益を分かち合うものである。そして、《企業所得税法》第41条に「企業とその関連方が共同開発、無形資産譲受、または共同提供、役務受入れにより発生するコストについて、課税所得額を計算するときに独立取引原則に従って割り当てなければならない。」とある。これにより、コスト分担協議は総部機構の研究開発により生じたりともに享受する費用コストを世界中の子会社等に分担させることができ、費用を税前計上することができ、特段の問題なく企業の税収負担を減少させるものとなりうると考えられていた。
しかしながら、《所得税法反租税回避細則》は決して企業が期待しているような方向とならないようだ。この中において役務類のコスト分担協議には制限が加えられる模様だ。役務に関するコスト分担協議は一般的に集団購買と営業販売の計画策定に適用され、企業が締結する役務類のコスト分担協議は国家税務総局に提出し批准を取得する必要があるという形になりそうだというのがメディアで紹介されている。コスト分担という考え方が濫用されるのを防止るのが目的のようだ。
以前はどうだったのだろうか。《外商投資企業及び外国企業所得税法》第20条では、「外国企業が中国国内に設立した機構・場所が、その総機構(本社)に対して支払った当該機構・場所の生産・経営に関連する合理的な管理費は、総機構(本社)が発行する管理費の集計範囲、総額、配布根拠と方法の証明文書を提供し、注冊会計士の監査報告を付し、所轄の税務機関の審査批准後、費用として処理することができる。外商投資企業はその分支機構に対してその生産・経営に関連する管理費を合理的に配賦しなければならない。」とあるように、以前も理論的には管理費用の税前控除は「税務機関の審査批准」というステップは必要だったのである。《所得税法反租税回避細則》においてもこの部分は結局変わらなさそうな感じだ。
2008-04-02
2007年卒業生の給与収入調査に基づいて、上海市労働保障部門が昨日2008年卒業生給与指導値を発表した。その通知は下表の通りである。
| 2007年卒業生 月間給与 | 2006年卒業生 月間給与 |
| 中央値 | 前年比 増加幅 | 中央値 | 前年比 増加幅 |
卒業生(合計) | 2,492元 | 18% | 2,107元 | 4.7% |
修士 | 4,650元 | 16% | 4,020元 | 6.7% |
本科 | 2,567元 | 11% | 2,317元 | 6.8% |
大専(高職を含む) | 1,996元 | 12% | 1,789元 | 2% |
中職 | 1,707元 | 15% | 1,486元 | 6% |
いずれのセグメントにおいてもかなりの増加を示している。そして、次に企業規模の違いによる月間給与額(これは学歴別ではない)は次のようになっている。
企業規模 | 月間平均給与 |
大企業 | 3,329元 |
中型企業 | 2,660元 |
小型企業 | 2,615元 |
次に職業別で見てみる。
職位 | 月間給与中間値 |
銀行貸付員 | 3,291元 |
証券業務員 | 4,978元 |
コンピュータソフト検査技術人員 | 3,246元 |
コンピュータソフトプログラム設計人員 | 3,310元 |
データバンク応用人員 | 4,411元 |
ここでは金融とIT関係について紹介したが、この二つの業界は特に上昇の激しい分野であるが、特に証券業界の突出振りが目立つ。一方で、表には示していないが行政助理、出納、統計人員といったごく普通のポストの場合は2000元程度にとどまっている。また、機械修理工といった技術者の給与の中間値も2,391元と前年比なんと47.59%も上昇している。
上記数値は上海市のものであるとはいえ、言われ続けて久しくなるが、中国進出をコスト面だけで考える時代は終わりつつあるといえるだろう。
2008-04-02
《企業所得税法》に関連する通達として《所得税法反租税回避細則》が4月中旬に公布されるという話だ。この中で関係会社の認定基準にも言及している。以前の関連規定では相互間で直接または間接的にその一方の株式保有が25%以上、及び直接または間接的に同一の会社が保有する株式が25%以上に達している企業を関連関係を具備していると認定するとしていたものが、《細則》ではこの基準を20%にまで引き下げる模様だ。要するに対象先が増加するということである。
また、もう一点気になった点としては、移転価格についてである。移転価格そのものについては大きく変わらないようだが、事前価格協議(APA)について一定の基準が設けられる模様だ。APAの提出条件が設けられるようであり、その基準としては関連取引金額が1億元超、実際経営期間が10年超が明示されるようだ。要するにどんな会社でもAPA申請ができるわけではなく、一定の規模以上の会社であって初めて申請することができるということだ。逆にそれくらいの会社でもないと申請準備に要するコストもあわないかもしれない。
2008-04-02
商務部が関係部門と新たな外資制限政策を研究しており、外国投資者の不動産分野への投資を一段と規範化しようとしているようである。この新政策とは外資が保有外貨を人民元転するときに、人民元転までの時間を延ばそうとするもののようだ。ここで言う延ばすには認めないという意味も含まれるのだろうか。それはないか、本当に認めないのであればプロジェクトそのものを認可しなければよいのだから。ただし、人民元転までの時間が長くなれば、物件購入に影響は出るだろう。
商務部の2月のデータによると、外資の実際利用高は38%増加しており、その内の多くの部分がホットマネーとして不動産分野に流れ込んでいるとのことである。2008年に入って以来、一部の都市で、例えば広州や深圳では30%近くも下落しており、底値と見た外資がそれをあさっている状況にあるようである。
株式についてはかなり下がってきているが、一般的には不動産に関する見方はなお強気の見方が多いようだ。よく中国人の知り合いから「不動産買わないの?株買わないの?もったいないねえ。」と言われたりしたが、元来が保守的なため博打的なものはするつもりもなく、買おうとは思わない。今の動きをなんとなく冷めて見てしまう自分がいるのだ。
2008-04-01
毎日新聞社『週刊エコノミスト』4月8日特大号(3月31日発売)で私が出稿した文章が掲載された。本日はエイプリルフールであるが、これは決して嘘ではない。日本のこのような雑誌への出稿は初めてだ。今回の内容は「中国視窓」というコーナーの『高齢化社会の到来で注目のシルバー産業』というものである。ぜひ一度ご覧いただきたい。残念ながら私は上海にいるために同誌を取り寄せるのに若干の時間を要するため今のところまだ目にしていないので、皆様のほうが先に目にすることになろうかと思う。『週刊エコノミスト』への出稿は不定期だが、上海に長期滞在する者として、次回もこれまでに見聞したことや興味のあるトピックについて情報をお届けして行こうと思う。