<head> 200712
上海を拠点にコンサルティング活動を行っている中国ビジネスコンサルタント呉明憲によるブログです。
  労働契約法の実施細則が出る出るといわれながらいまだに発表されていない。しかしながら、メディア報道等を見ていると細則の意見募集稿の内容がある程度漏れ伝わってきている。色々と出ているが、ここで気になったものについて紹介することにする。

1.連続二回固定期限労働契約締結後に、従業員が「無固定期限労働契約」を申し出た場合
連続二回固定期限労働契約締結後に、従業員が「無固定期限労働契約」を申し出た場合、会社は無固定期限労働契約を締結しなければならないという考え方と、会社は無固定期限労働契約を締結するかまたはそもそも契約を締結しないという考え方があったようである。私は前者の考え方を取っていたので、後者の考え方を聞いて驚いたりしたが、前者で落ち着くのではないだろうか。

2.労務派遣の基準
労務派遣の基準として「臨時的、補助的、代替的」という基準が一応あるものの、そもそも何を以って「臨時的、補助的、代替的」とするべきかは、恣意的に判断できなくもなかったといえる。意見募集稿では「臨時的」とは業務期間が1年未満のポストのことを指し、「補助的」とは警備、清掃等の非主営業務ポストを指し、「代替的」とは元々のポストにある従業員が休暇を取得し、この期間の間出勤できない場合に他の人員が臨時的に代わりを勤めるようなことを指す、ということになる模様である。そして、これら以外のポストで労務派遣を使用した場合、全て直接雇用とみなされ、会社としては労働契約を締結しなければならないとされている。また、全国人大法工委は労務派遣期間は6ヶ月以内とし、6ヶ月を超える場合は正社員としなければならないという意見を出しているようである。以前に派遣会社の場合は連続二回固定期限労働契約締結場合の「無固定期限労働契約」の対象外になるらしいと書いたが、派遣期間が6ヶ月以内となると派遣会社としてはやはり難しくなってしまう。

  いずれにせよ、1月1日から施行されることもあり、細則の公布が待たれる。

人民元貸出の基準金利がまた上がることになった。なんと今年でもう6回目だ。しかしながら年初から比べると貸出金利で1%程度の引き上げにしかなっていない。金利引き上げの目的は過熱する不動産投資や株式投資を抑制することが目的なのだろうが、これだけ加熱する中で1年でたかだが1%前後の引き上げでどこまで景気抑制ができるのだろうか。その一方でビル建設は相変わらず行われている。来年に迫ったオリンピックや2010年の上海万博を控えて、建設のペースも落とすのは難しいだろう。やらなければならないが、押さえなければならない。難しい舵取りだろう。

  
 調整前利率
 調整後利率
 調整幅
 一、預金
 
 
 
   (一)普通預金
   0.81
   0.72
 ▲0.09
    (二)定期預金
 
 
 
           3ヶ月
   2.88
   3.33
  0.45
           6ヶ月
   3.42
   3.78
  0.36
           1年
   3.87
   4.14
  0.27
           2年
   4.50
   4.68
  0.18
           3年
   5.22
   5.40
  0.18
           5年
   5.76
   5.85
  0.09
二、各種貸出
 
 
 
           6ヶ月
   6.48
   6.57
  0.09
           1年
   7.29
   7.47
  0.18
           1年~3年
   7.47
   7.56
  0.09
           3年~5年
   7.65
   7.74
  0.09
           5年超
   7.83
   7.83
   0
 三、個人住宅積立金貸出
 
 
 
           5年以下
   4.77
   4.77
   0 
           5年超
   5.22
   5.22
   0


今日はJETROの岩田副所長のおはらかいもあり、JETRO主催のセミナーに講師という立場で参加させていただいた。話題は保税監管区域外貨管理弁法である。申し込みは受付ベースで約100名程度で、通常は歩留まりが80%程度のところ、今日はあいにくの雨のため歩留まりがぐっと下がると思いきや、会場はほぼ満席で、あらためて皆さんの関心の高い問題であることを思い知らされた。多めに用意していたつもりの会社案内も全て配ることができて、これをきっかけに当社のことを知っていただいた方も多いのではないかと思う。先月末に東京でも同じようなセミナーを開催したのだが、後出しじゃんけんのほうがいい内容になるになるのは当然で、やはり上海で開催した内容のほうが質疑応答も含めてよい内容に仕上がったのではないかと思う。

実は毎週日曜日に空手の練習をしているのだが、どうも昨日は頭部を打たれすぎたのかもしれないが、練習後から頭痛がし始め、家に戻ってからも頭痛が癒えることがなく、9時半には就寝したのだが、まさかこのまま倒れてしまうのではないか、倒れてしまったらセミナーはどうなるのかという大げさな心配をしたのだが、結局当日は頭痛も治まり無事セミナーを開催することができた。

セミナー自体は話し始めるとついつい早口になってしまうせいで、用意していたレジメの説明は予定時間よりも早く終わってしまい、事前に受けていた質問に対する説明も終わったところでまだ結構な時間が残ってしまった。普通のペースで話せばもう少し引き伸ばせたと思うのだが、早口で話してしまうのは性分なので仕方がない。しかしながら、質疑応答の時間では意外と活発に質問がでてきたこともあり、結局はほぼ予定通りの時間に終了することができた。自分自身がセミナーにリスナーとして参加する場合、講義内容そのものももちろん大事だが、実は最後の質疑応答が楽しみだったりする。質疑応答は現場の方ならではの疑問点が聞けることがあるからだ。逆に講師を務める立場からは質問された場合に答えられなかったりすると格好悪かったりするので、これが緊張感にもつながったりする。次回どのようなセミナーを開催するかはまたこれから考えていくことにするが、これからも皆さんの関心の高い問題を取り上げることでお役に立てるようにしていきたいと思う。


企業所得税法実施条令が公布されて、多くの方がそちらに関心が向かっているかもしれないが、労働契約法関連で面白い記事を見つけたのでそれを紹介することにする。

台湾系企業の富士康科技集団が労働契約法を積極的に活用するべく8年以上連続して勤務している数万人の従業員と無固定期限労働契約を締結し、それ以外の従業員とも主として長期労働契約を締結するというものだ。

同社は設立以来20年近くになり、勤務期間が10年以上になる従業員も数万人に達しているそうだ。そして従業員の安定を図るために今後全ての従業員に対して主として長期契約を締結し、勤務期間8年未満の従業員とは無固定期限労働契約の締結を可能とし、新たに入社した社員に対しては初回の契約で2年契約、二回目の契約で3年契約、三回目の契約で無固定期限労働契約を締結することとし、技術者と管理者については初回3年、二回目5年、3回目で無固定期限の契約を締結するとのことである。

この動きに対して、国家労働社会保障部労働工資副司長の董平氏は非常に喜ばしい動きであるとコメントしております。多くの企業が無固定期限労働契約を以下に回避すればいいのかという動きととる中で、富士康科技集団の動きは非常に斬新に映る。

富士康科技集団のこのような動きは長年勤めてきた従業員は会社の宝であり、どのようにして引き止めればいいのかという行動からきたのであろうという見方があり、まさにその通りだと思う。

今後このような動きがどこまで増えてくるかに注目したい。
先日人材紹介会社の方と会食したところ、労働契約法の話になったが面白い話を聞いた。派遣会社は被派遣者と2年以上の固定期間労働契約を締結しなければならないのは既にご存知かと思う。そして、一般的に2回連続して固定期限労働契約を締結し、さらに労働契約を継続する場合は無固定期限労働契約を締結することになり、派遣会社も例外ではないと思われていたのだが、派遣会社にはこれが適用されないことになりそうだというのだ。草案第一稿の段階では被派遣者は1年以上勤務した場合で、派遣受入会社が引き続き同じ被派遣者に勤務してもらう場合は直接雇用に切り替えなければならないとなっていたが、これからすると派遣会社も本当に大きく巻き返したものだ。今まで私は派遣会社の無固定期間労働契約締結リスクがあると考えていたので、そのリスクを押し付けられる派遣受入側である企業としては派遣会社を使うメリットがあまりないと考えていたが、このリスクがなくなるのであれば派遣会社も結構使えると思う。11月か12月に公布するといわれていた関連規定で早くこの部分を確認したいと思う。
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