気の緩みには気をつけよう

 2007-11-12
旅行に出ると気持ちが浮ついて日頃ではありえないような行動をつい取ってしまうということはないだろうか。旅行であるならばまだわかるが、中国ビジネスにも同じようなことを何度か見聞きしたことがある。どういうことかというと、日本では非常にしっかりとビジネスを行っているような人が、こと中国進出の際に日本ではありえないような判断を行うことが見られるケースがある。例えば、土地使用権の購入でみられるのは購入までのフローを理解しないまま、あるいは理解しているものの相手がしきりに大丈夫だからというのを信じて購入し、結局正当な手続きを経ていない土地をつかまされるようなケースがある。その他では特にサービス業で見られるのだが、中国が外資に対して年々開放してきているとは言うものの今のところ何でもかんでも開放しているわけではない。それを知らず何でもできると言われて拠点を設立してしまったものの、つまり進出という目的こそ達したものの結局本来の目的を達成できないケースもみられる。その他には進出までは特に問題がなく、またしばらくは問題が発生しなかったものの、後から問題が発生・発覚するようなケースもある。

  これらのケースは事前にしっかりと調査を行っていれば大半が防ぐことのできるケースである。もちろん当事者はそのような結果にいたるまで全く何も考えずに進めていたわけではないだろう。ちゃんと現地まで視察に来たうえで判断しているはずではある。しかしながら、その際に良く見られるのは間に入る問題のある人間を信頼しきってしまうケースである。他には日系企業との付き合いが全くない日本語対応のできない律師事務所(弁護士事務所)、日本語対応こそ行っているもののよくよく調べてみると悪い評判のある律師事務所に依頼してしまい物事がおかしくなってしまうケースもある。中には単に意思疎通がうまくいかないケース、本当に物事がうまくいかないだけのケースもあるだろう。しかしながら明らかに「これはやられてるな」というケースがやはり見られるのである。共通するのがなぜかあまりにも人を信用しすぎてしまうところだ。人を疑ってばかりもよくないが、よく知らない相手のことを信頼しすぎるのもやはり問題だ。まさに旅行中に気が緩んでしまうのと同じようなものではないだろうか。
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プロフィール

呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)

Author:呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)
1992年3月 神戸大学経営学部卒業。
1992年4月 住友銀行(現三井住友銀行)入行。
2002年11月 三井住友銀行上海支店へ駐在。
2003年1月 キャストコンサルティング(上海)有限公司へ派遣。
2005年1月 日綜(上海)投資コンサルティング有限公司設立に伴い同社副総経理に就任。

住友銀行入行後、ほぼ一貫して法人業務畑を歩む。上海支店赴任後は中国ビジネスコンサルティングに特化し現在に至る。

日中経済貿易センターJCCNETコメンテーター
財団法人海外職業訓練協会(OVTA)国際アドバイザー

経歴と全く関係ないが週に一度のキックボクシングの練習は欠かせない。

主な執筆
「呉明憲コンサルタントのナレッジストリーム「(『bros』)
「中国税関実務AtoZ」(『The DailyNNA』(中国総合版))
「中国における企業再編」(『bizpresso』)
日綜(上海)投資コンサルティング会員向けニュースレター(JRIS NEWS、一問一答)
週刊エコノミスト2008年4月8日号(高齢化社会の到来で注目のシルバー産業)
週刊エコノミスト2008年8月5日号(ニート、パラサイト化する中国「80後」世代の生態)
週刊エコノミスト2008年11月4日特大号(ネット通販の商品を職場で受け取る中国人)

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