《労働契約法》について思うこと
以上は企業内部の話であり、もう一つ考えるべき問題としては経営面の話である。どういうことかというと、《労働契約法》はもちろん外資系企業だけでなく中国国内の全企業を対象としたものである。従来労働関係法令を遵守せずに最低賃金も守らない、あるいは残業代もまともに支払わなかったような企業も《労働契約法》を遵守しなければならないのである。このような企業が《労働契約法》を遵守し始めると当然生産コストが上昇するであろう。そしてそれが製品の販売価格に転嫁されるはずである。直接このような企業から仕入を行っていない企業であっても、間接的に関係していることは十分に考えられる。つまり直接の仕入れ相手が労働関係法令を遵守している企業であっても、その前の段階にある企業が労働関係法令を遵守せずに生産コストをおさえているような場合であれば、結局回りまわって自社が仕入れる際に当然のことながらコストアップが生じるだろう。今年に入ってから輸出税額還付率が引き下げられたり、加工貿易に対する締め付けが厳しくなってきている。むしろこちらの方に目を移して考えていく必要があるのではないだろうか。
世知辛い世の中?
最近、ネットの一部経貿類論壇で税関の給与カットにより大量の良くない輿論が出てきている。例えば、「上海税関が大幅に給与カットしたことにより集団「ストライキ」現象をもたらした」等だが、これが社会において税関に劣悪な影響をもたらしている。ここに、上海税関は関連状況を以下の通り明らかにする。
一、“ストライキ”説は事実ではない。
企業が国慶節長期休暇前に一気に輸入する、及び国際市場の注文書の周期規律等の要素その影響を受け、上海海運、空運等の部門の主要業務の港湾の貨物通関量が全て10%以上増加した。初歩統計によると、9月22日から28日において、上海虹橋空港税関の輸入・輸出書類が各々11.56%、17.42%増加した。9月24日から28日において、外高橋港区税関が処理した輸入・輸出書類は9.87%、12.9%増加した。貨物の速やかな通関を確保するため、上海税関の工作人員は職場をしっかりと守り、慎重に職務を守り、各種業務を正常に行った。浦東国際空港税関、外高橋港区税関、外高橋保税区税関、浦江税関等の各主要業務現場は残業まで行い、“当日書類当日処理”を行い、ネット上で出回っているいわゆる「税関集団ストライキ発生、給与カットにより通関速度が半分になった”等の事例は発生していない。
二、国慶節期間の上海税関は既に各種措置を講じてスムーズな港湾通関を確保。
国慶節長期休暇期間の上海港湾の輸出入貨物のスムーズな通関を確保するため、上海税関は“5+2日”勤務制の関連規定及び上海港湾業務の特徴に基づいて、積極的な措置をとり、通関速度を引き上げ、優れたサービスを提供し、港湾通関のスムーズな通関を確保し、多くの輸出入企業に楽しいゴールデンウイークを過ごしてもらった。
三、広大なネットユーザーは引き続き税関の業務に関心を持ち、支持してもらうことを希望する。
長期にわたり税関の業務に関心を持ち支持していただいている広大なネットユーザー、輸出入企業に対し、我々は心から感謝申し上げる。同時に、我々も広大なネットーユーザーの方々に真実の状況を深く理解していただき、盲目的にデマを信用せず、税関の業務を支持し、共同して上海港湾の良好な通関環境を築き上げ、上海地区経済のスピーディーで健康的な発展が有るべき作用を発揮することを促進することを希望する。
しかしさすがに本当にこれだけカットされると公務員だろうが一般企業の職員だろうがたまったものではないだろう。私も含め皆さんもいきなり給与が40%もカットもされればふてくされてしまうのではないだろうか。しかもどこの国であれ公務員というのは最も安定した職業であり、これを理由に公務員という職業を選択した人も少なくないだろう。これが本当なら全くもって世知辛い世の中になったものである。
お食事会
今日の話題は労務と中国共産党大会であった。労務についてはよくありがちなあんな話があった、こんな話があったというものであったが、共産党大会の話題になるとどうしてもついていけない部分があった。具体的には胡錦濤国家主席やその他の主要メンバーの名前は当然知っているのだが、その方々のこれまでのかなり以前からの経歴を中国の方は非常によく知っており、誰々は以前は○○省の党書記をやっていて、その次は何になって、その後も色々と経験して現在に至るというのをすらすらと話すのである。逆に我々が日本の政治家の話をした場合に、果たして同じような話ができるだろうか?国務大臣の名前までは出たとしても過去の経歴まであそこまですらすらと話すことはよほど著名な大臣でもない限り難しいだろう。よく北京人は政治の話が好きだというが、上海人も話し始めると決して負けていないのではないだろうか。
毎日当地の第一財経という新聞を読んでおり、経済面や社会面の興味のある記事ノートに貼り付けたりしているのだが、これからは政治面の記事も同じようにしようと思う。ただの食事会も結構ためになるものだとあらためて思った。
《保税監管区域外貨管理弁法操作規程》
さて、ここ最近で一番関心を高く持っているのが《保税監管区域外貨管理弁法操作規程》です。これは8月に公布されました《保税監管区域外貨管理弁法》のいわば実施細則といえるようなものです。本来ならば実施細則というのは大きな枠組みとして出された通達に対して、それをより詳細に説明する意味合いのものといえるのですが、《保税監管区域外貨管理弁法操作規程》は非常に難解です。外高橋保税区管理委員会の方に聞きましたところ、元々はもっと細かく書かれていたそうですが、実際に発表する段階になって細かく分かれていた部分をまとめてしまったようです。そのため、一つの条文の中で複数のスキームを取りまとめてしまっている部分があり、非常に難解なものとなっています。外高橋保税区管理委員会の方と色々とお話しているうちに見えてきた部分があったのですが、その打ち合わせ内容を管理委員会の方にフィードバックしようと作業をしていたところ、あらたな発見もありました。最終的にはスキーム図までを会員向けニュースレターに反映させたのですが、現段階としては一応の内容のものができたのかと思います。
今回はたまたま保税区の外貨管理について書いてみましたが、今後はこのような話からもう少しくだけたような話まで書いていこうと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。
