延払い規制の緩和が正式に公布

 2008-12-24
  12月15日の記事で既に「延払い規制が緩和されそうだ」という内容でお知らせしていたが、外貨管理局から正式に延払い規制の緩和に関する通達《国家外貨管理局:企業貨物貿易における外債登記管理改善の関連問題に関する通知》(⇒原文ここ)が公布された。既にお伝えのとおり延払い限度額が前年度輸入外貨支払総額の10%から25%に引き上げられるというものだ。10月1日よりスタートした延払い規制、90日後の支払いということは最も早い送金は年末年始あたりになるだろう。果たして25%までの拡大でどれだけの企業がニーズを満たすことができるだろうか。9月26日に発表された《貿易貸付登記管理システム(延払い部分)操作手引》(以下、157号通知という)の中で、「大型プラント設備生産企業の延払い基礎比率は最高で30%を超えてはならず、その他の企業の延払いの基礎比率は最高で20%を超えてはならない。」 とあり、一般企業の場合は認められても20%までと読み取れていたものが、今般の通知では一般的に25%まで認められることになるわけだが、157号通知がまだ有効であり、そこでは延払いの基礎比率は最高で20%を超えてはならないとされていること、本通知で25%以上に拡大するケースについて具体的に言及されていないことから、これらを総合すると25%以上の限度枠を必要とする企業に対してどのような運用が行われるかが注目される。本通知の中で「信用状况が良好で、外貨管理規定違反記録がなく、厳格に規定に従って貿易貸付登記を行うことのできる企業は、その生産経営の必要、製品の特殊性、貿易決済の慣例等により、貨物代金前受金比率または貨物代金延払い比率の調整を必要とする場合、国家外貨管理局各分支局、外貨管理部は企業の申請に基づいて比率を調整することができる。」、とり、これを適用して25%以上の限度額が認められるように見えることから、25%ではまだ不足だという企業であれば積極的に申請をしていけばいいだろう。


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延払い規制が緩和されそうだ

 2008-12-15
  11月の貿易数値が2002年3月以来のマイナス成長を記録した。中国も金融危機の影響を受けていることがこの事実から見て取ることができる。これまで三度にわたり輸出税額還付率を引き上げたり、一部の加工貿易保証金の実転を空転に変更したりしてきたが、このような状況の中、厳しいルールが公布され続けて外貨管理の規制が緩和されそうだ。13日に発表された《国務院弁公庁:当面における金融が経済発展を促進することに関する若干意見》(⇒ここ)の中で、外貨管理のルールが緩和されることが謳われている。具体的には次のようなものだ。

(1)輸出前受金限度額の緩和
  前受金人民元転比率を10%という制限だったものを25%へ引き上げし、一回あたりの金額が小さい輸出前受金であれば人民元転限度額管理に組み入れない。

(2)延払い限度額の緩和
  延払い限度額を前年度輸入支払額の10%までという制限だったものを25%に引き上げ。

(3)審査の簡略化
  人民元転比率や個別限度額審査の手順を簡素化し、審査時間を短縮化。


  当初公布されたころから非常に不満が多く聞かれた通達であったが、経済情勢の悪化に伴い結局緩和されることになる模様だ。このレベルの緩和がどこまで企業にとってメリットがあるかという問題があるが、フェイバーであることには違いない。もう少しこの情報を早く入手することができていればJETROセミナーの中で披露することができたのだが。とにかく後は外貨管理局の通達を待つだけだ。
 

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年末年始の資金調達は大丈夫ですか?

 2008-10-30
  輸入延払いの対応はすすんでますでしょうか?以前の記事(10月1日を境にした延払い登記の取り扱い基準)でもご紹介したとおり、輸入延払い規制は10月1日よりスタートするので、これが資金繰りに影響するのは年末年始あたりになります。本日はまだ10月の終わりなので、あと2ヶ月あると思う方も多いと思います。貿易外債枠の拡大ができるのが一番いいのですが、これができない場合は資金を捻出して貿易外債を作り出さないよう決済を行うということになります。資金捻出の方法のひとつとして銀行借り入れがありますが、ご存知のとおり外貨の調達は各銀行の外債枠の関係もあり期待薄であるといえるでしょう。次善の策として人民元の調達という方法がありますが、年末年始に向けて各企業が一斉に銀行に対して借入を申し出ることが予想されます。普段お付き合いされている日系銀行に貸出資金余裕を確認し、もしそれが難しいようであれば地場銀行に依頼せざるを得ません。この場合、従来から借入取引のある地場銀行が相手の場合はまだいいものの、初めて借入を申し出る場合は与信新規ということで審査に時間を要することが考えられます。また、既に借入取引のある地場銀行相手の借入申し出でも、最近の金融情勢を考えますと安心しすぎるわけにはいかないでしょう。年末までまだ2ヶ月あるというものの、あと2ヶ月しかないという気持ちで用意したほうがいいでしょう。

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輸入延払い登記〜保税監管区域の取り扱い

 2008-10-06
  既にご案内のとおり、延払い登記の操作手引が出ましたが、この中で保税監管区域の取り扱いがどうなるのかについては全く触れられておりません。具体的には《国家外貨管理局:企業貨物貿易項目における外債登記管理実行関連の問題に関する通知》(30号通知)とQ&Aで次のような違いがありました。

30号通知

Q&A

「保税監督管理区域内の対外貿易経営資格を有し非保税貨物貿易に従事する企業」には通知を適用

 

「国内で登録している企業、一般貿易、加工貿易、または中継貿易、保税貨物貿易等のその他特殊方式に従事するときに発生する前受金または延払いは、企業の登録地が特殊経済区域にあるか否か、貨物の輸出入通関があるか否か、輸出代金の受け取りがオンライン審査の対象となっているか否かにかかわらず、いずれも貿易にかかる対外債務登記をしなければならない。



  つまり、30号通知では保税取引は延払い登記の対象外となっている一方で、Q&Aでは輸出入通関があるか否かにかかわらず延払い登記の対象と読み取ることができます。間接的にヒアリングした結果ですが、外高橋保税区ではすべての輸出入が対象となる一方で、大連保税区では規定どおり「対象外」となっており、地方により取り扱いが異なる模様です。しかしながら、《30号通知》の中で延払い登記の対象は「2008年10月1日より、企業は新たに締結した輸入契約において延払い条項があり実際に延払いが発生した場合、契約締結日または税関が輸入貨物報関単を発行してから90日目より15工作日以内に延払い登記手続きをしなければならない。」とあり、今般公布された《操作手引》の中でも、「2008年10月1日より、新たに発生した貨物輸入で、報関単に明記している税関発行日より90日を越えて対外支払いするような場合、企業はシステムにログインして延払い引出登記を行わなければならず、引出登記の時期は遅くとも税関が発行した日の90日後より15工作日を越えてはならない。」とあるように、いずれも報関単、すなわち正式通関を基準としております。《30号通知》や《操作手引》は通達番号が付されている正式なものであるのに対し、Q&Aは所詮はただのQ&Aであり正式な通達を超越することは本来あってはならず、従って輸入備案(形式通関)で済ませることのできる保税監管区域の保税取引は本来延払い登記の対象外とすべきものではないだろうかと思うのであります。

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まさかここまでとは

 2008-09-09
  9月3日の記事で(大阪・東京)外貨管理セミナー〜貨物貿易の前受金及び延払い管理強化への対応〜ということでご案内しているが、私が想像していた以上に関心が高いようだ。たまたま集客の集計を担当している人と話したのだが、それはもう大変な人数のお申し込みをいただいているようだ。東京会場についてはおそらく私が過去において行ったセミナーの最高参加者数になると思う。スペース的には余裕があるようなのでまだまだ募集は続けるようだ。第一弾の大阪は22日なのであと2週間ほどあるので、今の段階で一応できている資料をさらにバージョンアップさせて、是非より皆様のお役に立てるセミナーにしたいと思っている。

  このセミナーの本題である貿易代金の管理強化については、既に通達が公布されているものの、それをさらに詳細に説明した実施細則なのか操作規定なのかが公布されるという話である。実際にこの通達に基づいて外貨管理局で手続きをしようとした企業が実施細則や操作規定が公布されていないからという理由でその手続きを受理されなかったケースもあるという。セミナーまでに実施細則だか操作規定だかが公布されるといいのですが、果たして間に合うだろうか。是非間に合って欲しい。

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新外貨管理条例が年内にも公布の見込み

 2008-08-04
  現在施行されている外貨管理条例の修正草案である《中華人民共和国外貨管理条例(修正草案)》が8月1日に開催された国務院常務会議の審議を通過した。若干の修正を加えた後に年内にも公布される見込みだ。現在の外貨管理条例は1996年に公布され、1997年に一度改正されているので、今度改正されるのであれば2回目の改正となる。修正後の新外貨管理条例に含まれる内容は次の通りだ。

1.外貨資金流入人民元転及び人民元転資金の流れの管理に対する強化
2.外貨強制戻し要求の弱化
3.資本流出チャネルの拡大、資本項目兌換可能留置空間の推進のために、一段と市場の為替レート形成における基礎性作用の発揮の強調
4.外貨監督管理と検査手段
5.資金違法流入及び人民元転等の規定違反行為の処罰根拠の充実

  少しわかりにくい表現があるが、基本的には直訳したものである。外貨管理条例の改正といいつつも、最近のホットマネーの流入に対して警戒しているような内容が伺える。細かな内容までは今のところわからない。最近公布された前受金や延払金の登記については実務オペレーションに影響するということで多くの企業で戦々恐々としているが、まじめに運営している会社にとっては余りにガチガチな内容になってしまうと迷惑でしかなくなるので、新外貨管理条例においては実務オペレーションに影響しないような内容であって欲しいものだ。

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プロフィール

呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)

Author:呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)
1992年3月 神戸大学経営学部卒業。
1992年4月 住友銀行(現三井住友銀行)入行。
2002年11月 三井住友銀行上海支店へ駐在。
2003年1月 キャストコンサルティング(上海)有限公司へ派遣。
2005年1月 日綜(上海)投資コンサルティング有限公司設立に伴い同社副総経理に就任。

住友銀行入行後、ほぼ一貫して法人業務畑を歩む。上海支店赴任後は中国ビジネスコンサルティングに特化し現在に至る。

日中経済貿易センターJCCNETコメンテーター
財団法人海外職業訓練協会(OVTA)国際アドバイザー

経歴と全く関係ないが週に一度のキックボクシングの練習は欠かせない。

主な執筆
「呉明憲コンサルタントのナレッジストリーム「(『bros』)
「中国税関実務AtoZ」(『The DailyNNA』(中国総合版))
「中国における企業再編」(『bizpresso』)
日綜(上海)投資コンサルティング会員向けニュースレター(JRIS NEWS、一問一答)
週刊エコノミスト2008年4月8日号(高齢化社会の到来で注目のシルバー産業)
週刊エコノミスト2008年8月5日号(ニート、パラサイト化する中国「80後」世代の生態)
週刊エコノミスト2008年11月4日特大号(ネット通販の商品を職場で受け取る中国人)

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