今年上半期検索キーワードランキング

 2009-11-24
  このブログにはアクセス解析機能というものを組み入れており、これによりどのようなキーワードで検索してたどり着いたかがわかるようになっている。このブログのアクセス数もそれほどたいしたことはない(読者の方々、宣伝しておくんなはれ!!!)が、何かしら傾向が見えるかもしれないと思いちょっと整理してみた。

1-6月

 1月は残念ながらデータがなく、2月以降のデータのみであるが、上半期の検索キーワードで今年を振り返ってみようと思う。

  2月のキーワードで目立つのが「増値税」だ。おそらくデータが残されていないが1月も「増値税」が多かったものと思われる。なにせ今年から増値税改革が行われたからだ。これにともない、固定資産の仕入れ税額控除が可能になるとともに、設備免税輸入制度が廃止された。外商投資企業向けの代表的な政策が大きく転換することをもたらした改革である。

 3月になって「特別納税調整実施弁法」が上位に入ってきているが、これは2月から既にランクインしている。1月にニュースレターを配信しているが、いわゆる移転価格に関する通達だ。これは4月にも上位にランクインされている。

  また、同じく3月だがこの月のトップキーワードは「来料加工」である。4月から6月にかけても上位を占めている。1月に「来料加工」に関する記事をアップしているが、3月から6月にかけてはアップしていない。とはいうものの、この頃あたりから来料加工工場の現地法人化に注目が集まりはじめたものと思われる。

 5月にはいると、就職活動が一気に上昇した。4月からランクインしているキーワードだが、5月・6月とトップをキープした。大学生の就職難の記事自体は1月と4月にアップしているが、5月あたりから注目度がアップしている。

  6月には以旧換新がランクイン、ちょうど内需拡大のための買い替え補助政策が発表されたのと同じ時期だ。

 こうしてみると、思いつきで整理してみたのだが、検索キーワードもなかなかそのときの関心事を示していることがわかる。次回は7月〜9月分について整理してみたいと思う。

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労働紛争での賠償請求額なんと996万元!

 2009-11-23
  元従業員が会社に対して996万元の賠償を請求する裁判が無錫新区の裁判所に提訴された。996万元とはこれまた大きく出たものだ。原告は最初労働仲裁委員会に5000万元の賠償を請求していたが、却下されたため裁判に訴えることとなった。ここでなぜこのような莫大な金額を請求するような裁判を提訴したか、その背景を見てみよう。

 無錫新区の某企業で働いていた張氏は2007年に贈賄罪で懲役一年の実刑判決を受けた。そして一年の刑期を終えた張氏は、「自分が犯した贈賄罪は、仕事上のものであるため自分ひとりが刑事責任を負うべきではない。また、贈賄罪という罪は自らの将来に及ぼした影響が非常に大きい」という理由から訴えるにいたったのである。会社としては刑事事件を起こした社員を解雇したということであるが、張氏は会社のために行ったので、会社が個人に対して償うべきだという考えだ。

  結局、裁判所も張氏の主張を支持しなかった。会社のために社員が行った行為が罪に問われ、挙句の果てには会社から切り捨てられるとは、昭和のドラマのような話だ。なんとなく贈収賄が多いイメージのある中国、これからもこんな話があちらこちらで出てくるだろう。

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中国オンラインゲーム 〜はっきりしてくれ!〜その2

 2009-11-21
  文化部が《一段とオンライングームの内容管理工作の改善と強化を行うことに関する通知》というものを公布した。この中で、「輸入及び国産のオンラインゲームの内容の審査備案管理の強化」というものがうたわれており、「文化部はオンラインゲームの内容の審査機構及び人員を一段と調整充実させ、オンラインゲーム審査技術要求と工作フローを改善し、そしてオンラインゲーム製品の発展変化に基づいて、内容審査催促を改正改善する」とある。これは「新聞出版総署の前置審査を経ていないオンラインゲームはネット配信してはならない。」を完全に無視した内容といえるだろう。新聞出版総署が公布した通達に対して文化部はその通達を否定するコメントを出していたが、今回は通達という形で否定したのである。こりゃケンカですなあ。

(参考)
中国オンラインゲーム 〜はっきりしてくれ!〜

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クローンタクシー

 2009-11-20
  クローンタクシーという言葉を聞いたことがあるだろうか。まさにタクシーのクローンのことである。上海で言うと大手どころのタクシー会社はボディーが水色の大衆、黄色の強生、白色の錦江、緑の巴士といったところがある。通常はこれらのタクシー会社の車両に乗るとまず問題ないのだが、個人で車を購入して勝手に仕様をタクシーと同じにしている非正規のタクシーがあるのだ。これがクローンタクシーだ。

  ある日のことだ。運悪くこのクローンタクシーに乗ってしまった人がいる。当然乗ったときにはクローンタクシーなどと知る由もない。下車時にタクシー代を精算する際に交通カード(交通機関用のプリペイドカード)で精算しようとした。ところがうまくカードが反応してくれない。たまたまもう一枚持っていたのでそれを出したところ、そのカードもうまく反応しない。さらにもう一枚持っていたのだがこれも反応しなかった。しょうがないので現金で精算したのだが、なんと1500元もの損失!痛い!2万円以上ですよおおおおお!

  このクローンタクシーは結局その後つかまってしまったのだが、非正規のにタクシーなのに運転手は交通カードで回収したこの1500元をどうやって現金化しようとしていたのかが気になってしょうがない。

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合弁相手のお人柄

 2009-11-19
  最近とある案件がクロージングした。正確には細かな手続きがまだ残っているので本当に終わったというわけではないのだが、肝心な部分が全て終わったという意味でのクロージングだ。

  場所は中国内陸部。案件内容はここに所在する地場企業に対する日本企業による出資だ。余り細かなことはいえないが、色んな通達を適用し、またできるだけ顧客の要望にこたえるようにちょっとしたスキームを考えた。われながらしびれるようなグッドアイデアだと思う。しかしながら何せ場所は内陸部、こちらが正しいと思っていることでもお役所から「知らない」の一言で済まされかねない。対抗するためには根拠を示すしかない。根拠を示せばお役人といえども抗弁できなくなるはずだ。この案件のスキームは3ステップに分かれるが、詰まってしまったのは第2ステップの部分だ。最終的に理解が得られ第3ステップまで進み、批准を受けることができた。顧客にとっても数年越しの話でもあり、当時の社長(前社長)までわざわざお越しになられセレモニーに参加された。前社長も現社長を含めた幹部の方々も本当に嬉しそうだった。その嬉しそうな表情を見て私もとても嬉しくなった。

 ただし、これはあくまで合弁会社ができたというだけの話であり、大事なのはこれからだ。昨日中国における合併買収案件の60%が期待通りの成果を上げていないという記事を書いたばかりだ。この記事の中では双方の企業の「文化」をどう融合させるかが大事だと書いてあり、これに関して全く持って異論はない。しかしながらもうひとつ付け加えたい。今回の案件で日本企業の前社長が宴席の場で最後にスピーチされたのだが、「世界中いろんな国と合弁会社を設立してきた。どんな合弁会社が成功するか、それはひとえに合弁パートナーのお人柄による。だから今回できた合弁会社も間違いなくうまくいく!」と力説された。お人柄がよくなければ文化の融合なんてできない。数字や資料の中で見えないもので、話し合いの中で感じ取るべき部分をここに見たように思った。

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企業合併買収の60%が当初期待を実現しておらず

 2009-11-18
  トーマツが《中国企業の合併買収後の文化融合調査報告》を発表した。これによると、2009年の第一四半期において、中国が関係した合併買収の取引金額は次のとおりだ。
 
種類
金額
中国企業間に合併買収
82億米ドル
中国企業による海外企業の合併買収
49億米ドル
海外企業による中国企業の合併買収
229億米ドル
 
  そこそこの金額といえるだろう。しかしながら、この中の60%の企業が必ずしも合併買収により期待していた商業価値を実現しておらず、そしてその3分の2が失敗の原因は合併買収後の文化の融合がうまくいかなかったことによるものと感じているという結果が出ている。多くの企業が合併買収後の企業文化の融合に関心を持ち、相応の対策を打っているようだが、実際にはそれほど効果的ではないようだ。
 
  合併買収前の期待感についてだが、55%の企業が合併買収前に期待していた文化融合モデルを融合式、つまり合併買収双方が文化上互いに浸透させ、補い合い、各々が調整を行うものだとしている。そして35%の企業が被合併買収側が元々有する文化体系を完全に放棄し、合併買収側の文化を採用することを期待している。しかしながら、実際の調査によると、60%の企業が合併買収後の新会社の文化は合併買収側の文化を受け入れており、30%の会社について双方が融合した文化となっている。この結果は合併買収前に考えていたこととは一致していない。
 
  ズレはこれだけではない。75%の企業が合併買収後に使命、展望及び戦略目標を制定しているが、以下のような結果が出ている。

新会社の希望や価値観の宣伝が十分でないまたは不明確で
あると思っている
40%
管理層が政策決定方式の選択において双方の文化と優勢分
野の差異を十分に考慮できていない
15%
従業員がポイントとなる業務要求に対する理解、例えば品質、
効率のバランス、長短期利益のバランス方面に一致を達成で
きていない
15%
 
   成功している企業のは二つの特徴があるという。
 
  1.一強一弱の合併買収
  合併買収後の新会社は合併買収側の文化特徴を主とするが、だからといって被合併買収側の文化を否定せず、むしろ良い部分を吸収し、元々の文化に対してより改善した革新的なものとする。
 
  2.強強連合の合併買収
  合併買収後の新会社は十分に互いの文化を尊重し、相互に補い合い、「第三種の文化」を形成する。
 
  ただし、現在のところ中国国内企業の大部分の合併買収においてこの二つのような動きはなかなかみられていない。
 
  大部分の企業が合併買収後の文化の融合を重視すると発表しておきながら、現実には合併買収後の初期段階において、文化の相互受け入れに対して十分重視されていないようだ。重要度は高いと思っているものの優先度が低いというほうが正しいだろうか。異文化の融合はそれほど難しいということだ。合併買収前に相手企業に対する財務・法務を中心とするデューデリジェンス、あるいはさらに踏み込んだ将来どうなるかという意味での事業性や業績改善の可能性、将来キャッシュフローに対して、影響を与える要素を把握するためのビジネスデューデリジェンスで行ったりするが、これらのプロセスでは企業文化についてはなかなか見えづらい部分もあるだろう。実際の話し合いの中で感じ取ることになるだろうし、実がこれが一番大切なのかもしれないと思ったのであった。

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プロフィール

呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)

Author:呉 明憲 (meiken@jris.com.cn)
1992年3月 神戸大学経営学部卒業。
1992年4月 住友銀行(現三井住友銀行)入行。
2002年11月 三井住友銀行上海支店へ駐在。
2003年1月 キャストコンサルティング(上海)有限公司へ派遣。
2005年1月 日綜(上海)投資コンサルティング有限公司設立に伴い同社副総経理に就任。

住友銀行入行後、ほぼ一貫して法人業務畑を歩む。上海支店赴任後は中国ビジネスコンサルティングに特化し現在に至る。

日中経済貿易センターJCCNETコメンテーター
財団法人海外職業訓練協会(OVTA)国際アドバイザー

経歴と全く関係ないが週に一度のキックボクシングの練習は欠かせない。

主な執筆
「呉明憲コンサルタントのナレッジストリーム「(『bros』)
「中国税関実務AtoZ」(『The DailyNNA』(中国総合版))
「中国における企業再編」(『bizpresso』)
日綜(上海)投資コンサルティング会員向けニュースレター(JRIS NEWS、一問一答)
週刊エコノミスト2008年4月8日号(高齢化社会の到来で注目のシルバー産業)
週刊エコノミスト2008年8月5日号(ニート、パラサイト化する中国「80後」世代の生態)
週刊エコノミスト2008年11月4日特大号(ネット通販の商品を職場で受け取る中国人)

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